今月号に掲載された、立教大学大学院 21世紀社会デザイン研究科特任教授 倉澤 宰(くらさわ・さい)先生のインタビュー記事「地域の絆と奉仕の気持ち 生かした家族支援を」に強く心を打たれました。
まず、社会の基礎単位であり、次世代によって再生されながら普遍的な「核」となる機能を持つ「家族」と、時代とともに変遷していく「家族制度」とを混同してしまっていることが、家族に関する議論を分かりにくくしてしまっていると述べられていて、なるほど、時代や制度がどんなに変わろうとも「家族」が大事なんだと、痛く納得しました。
そして、家族の基本的な機能とは、①人間を育てること、②文化を継承すること、③安らぎを与えること。と述べたうえで、社会の中核は家族であることを社会全体が再認識し、地域のつながりを取り戻す取り組みは、「家族に目を向ける」ものにならなければならず、それがまた地域の基盤を作り上げるという内容に、改めて感心してしまいました。
日頃、社会福祉協議会とタッグを組んだ民生委員活動を通じて、社会福祉の重要性を感じておりますが、上記で紹介した内容や他の内容によって、改めて、本当の意味での人々の幸福を支える社会福祉やボランティアなど、地域的なサポートにおける今後のあり方を教えられたような気がします。
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昨年、2011年の10大ニュースを振り返ってみると、国内では東日本大震災と東京電力福島第1原発事故だ。これは”無投票”で1位としたということで、過去5年間を見てみると、これまでに例は無い。それほどまでに重大なものだった。
共同通信社と全国の加盟新聞社、民放契約社の編集・論説担当者らが報道現場の視点から選んだことしの十大ニュースが決まった。
国内ニュースでは、未曽有の被害をもたらした東日本大震災とレベル7の東京電力福島第1原発事故を無投票で1位とし、2位以下を選定。東電の計画停電が6位、中部電力浜岡原発の停止が7位と、震災、原発事故関連が計3項目入った。
(共同通信社ホームページ から)
ここで日本人が教訓とし、深く胸に刻み込み、これからの国づくりに向けてよくよく考えなければならないことが思い起こされる。それは、ヒューマンエラー対策だ。
既に、どの業界でも、どこの企業でも、どんな組織でも、そんなことは当たり前になってはいることだろうけれど、この次の記事を読んで、事の深刻さに身震いした。
東京電力福島第一原子力発電所の3号機で、水素爆発を起こす前日の3月13日に、現場の運転員が非常用の冷却装置を所長らがいる対策本部に相談せずに停止し、原子炉を冷やせない状態が7時間近く続いていたことが、政府の事故調査・検証委員会の調べで分かりました。
(NHK 東京電力 福島第一原発事故 関連ニュース から)
『ヒューマンエラー』でGoogle検索してみると、関連項目として『ヒューマンエラー対策セミナー』
が推奨され、早速クリックしてみると、トップに表題のANAラーニング株式会社による『ヒューマンエラー対策研修』を見出した。
たとえ些細な事故であったとしても甚大な人命を失うことに繋がりかねない航空機業界ならではの、蓄積されたノウハウとスキルがそこにはあるに違いない。
研修内容
「ヒューマンエラーをゼロにすることは出来ない」
人は人であるがゆえにエラーをなくすことは出来ません。
しかし、「エラーの影響をコントロールすることは可能」です。
「エラーチェーン」
事故は1つの事象のみが原因となり発生することは稀で、いくつものエラー(事象)がチェーンのように連鎖した結果として発生します。
発生した事故に対し、
「誰の責任か?」を問うのではなく
「誰が防ぐことができたか?」と問うことが
事故防止の基本であり、研修プログラムの骨子です。
(ANAラーニング株式会社『ヒューマンエラー対策』ホームページ から)
果たして、今の学校教育の現場における教育関係者間のヒューマンエラー対策や、児童生徒に向けたヒューマンエラー対策教育はどのように為されているのであろうか。
テストで満点を取る者だけが良しとされ、ケアレスミスは自己責任として放置するのではなく、教育現場で起きたヒューマンエラーはむしろ教育のチャンスとして捉え、適切な指導が為されるならば、起こるかもしれない将来の重大なヒューマンエラーを未然に防ぐことにも繋がるかもしれない。
近年、高校野球や高校サッカーにおいて実績を残す学校は、平素の練習に場においてもこういった観点での指導が為されているようだが、スポーツ以外の面においても、教育の現場に取り入れるべき時が来ているように思う。
昨年、地元選出の県会議員、諸井真英先生の県政報告会の場で、前埼玉県教育委員会教育委員長 松居 和先生の講演を聴く機会をいただいた。
『子育て、特に、0・1・2歳児の養育を通して、親自身が育てられ、親らしくなる。それが社会を変え、国を変える。』という主張は痛く心に響いた。私自身、八人の子育ての真っ最中だが、どれだけ親らしくなったかと問われれば、恥ずかしい限りだ。それは、0・1・2歳児の養育というのは、ほとんど女房に任せてしまっているからだと気付かされたものだ。
しかし、時が過ぎてしまえば、またどこ吹く風と、講演を聴いたことすら忘れてしまっていた。
そんな時、再び、松居 和先生の講演を聴く機会をいただくことができた。今度のきっかけはEn-ichi 教育フォーラムの場だ。
講演の内容としてはほぼ同じ様だったが、何度でも聴いてみたいと思う内容であると共に、伝わってくる波動が実に心地よかった。
埼玉県では全国に先駆けて1日保育士体験なるものに目をつけ、その普及に取り組んでいるとのことだが、この『1日保育士体験』を発案し、提唱し続けている方が、他ならぬ松居 和先生だ。
確かに、これが全国に普及することで、日本は大きく変わるように思った。
一緒に参加した友人が、松居 和先生の講演がYouTubeにアップされていることを教えてくれたので、今日はそれを紹介したい。En-ichi 教育フォーラムのものではないが、大いに参考になる。